1. はじめに
今回は、令和3年の税制改正のなかで、今月11月に施行された投資運用業を主業とする非上場の非同族会社等の役員に対する業績連動給与の税務上の取扱いの変更について紹介致します。
2. 改正の背景
昨今、大きな経済規模や安定した政治体制などの日本の強みを活かして、世界に開かれた国際金融センターとしての地位を確立することが、日本の経済社会の活性化のために必要であると考えられており、今回の改正は外国からの投資を促進する施策の一環となります。
3. 改正の内容
これまで、業績連動型の役員報酬の算定方法について有価証券報告書への記載が損金算入処理の要件であったため、有価証券報告書の提出をしていない投資運用会社は当該報酬を損金算入処理できませんでしたが、今回の改正により、以下の要件を満たす場合に可能になりました。
① 青色申告法人が、令和3年4月1日から令和8年3月31日までの間に開始する各事業年度に業績連動給与を支給する
② 投資家の事前承認要件を満たす
③ 事業報告書を金融庁長官がインターネットに公表する
④ 業績連動給与の算定方法を事業報告書に記載して提出して、かつ公衆の縦覧に供し、または公表する
4. おわりに
今回は、投資運用業を主業とする非上場の非同族会社等の役員に対する業績連動給与の損金算入要件の変更についてご説明しました。なお、今回の解説も、概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。ご不明な点等ございましたら、お気軽に弊社までご相談下さい。
(参考資料)
令和3年度税制改正の大綱 (3/9)
(令和3年11月24日アクセス)
業績連動型給与の損金算入の特例に係る事業報告書
(令和3年11月24日アクセス)
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