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2021.10.29

退職所得課税の見直しについて

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1. はじめに
令和3年度の税制改正により、令和4年1月1日以後に支払うべき退職手当等より退職所得課税の見直しが行われます。そこで今回は、具体的な計算例を国税庁が発表していますので、改正の趣旨や改正の内容について確認していきたいと思います。


2. 改正の背景及び趣旨
退職所得は、長年勤めたことに対する表彰の意味合いをもつ退職金であることや退職後の生活資金の原資であるため、他の所得とは分離した課税方法が採られています。近年、この税負担が少なくなる仕組みを利用し、短期間の勤務について給与の受取に代え、退職金を受け取ることで租税を回避するという例が報告されています。
そこで、法人の役員等だけでなく、従業員についても勤続年数5年以下の短期の退職金については、2分の1課税の適用を除外することになりました。ただし、雇用の流動化等に配慮し、退職所得控除後の金額のうち300万円までは改正前と同様に2分の1課税を適用する方針となっております。


3. 改正の内容
【改正前】
退職所得の金額は、その年中に支払を受ける退職手当等の収入金額から、その人の勤続年数に応じて計算した退職所得控除額を控除した金額について、以下の区分に応じ計算された金額とすることとされています。

【改正後】
通常の従業員についても、勤務年数が5年以下である場合、一定の制限を受ける形となります。

また、それに伴い退職所得の受給に関する申告書の様式についても変更となっている為、注意が必要となります。 

4. おわりに
今回は、「退職所得課税の見直しについて」について改正のポイントについてご説明しました。なお、今回の解説も、概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。
ご不明な点等ございましたら、お気軽に弊社までご相談下さい。


(参考資料)
源泉所得税の改正のあらまし 令和3年4月  0021004-072.pdf (nta.go.jp)
(令和3年10月29日アクセス)

「法人課税関係の申請、届出等の様式の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)
 (令和3年10月29日アクセス)

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