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2015.10.01

平成27年9月期決算法人の留意点

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1. はじめに
“News”の第2回で日本では3月決算法人が最も多いことをお伝えしましたが、その次に多いのは9月決算法人です。平成25年度の国税庁の調査では、年1回決算法人のうち、その割合は約10.9%(9月決算法人283,268社/全体2,590,950社)になっています。


平成26年の税制改正においては、平成26年10月1日以降に開始する事業年度から適用になる以下の項目がございますので、9月決算法人は注意が必要です。
 
 ● 法人住民税率の改正
 ● 地方法人税の創設
 ● 法人事業税率の改正
 ● 地方法人特別税率の改正


なお、これから説明する事項につきましては、本社所在地が東京都である、という前提で進めさせていただきますのでご留意下さい。(英語版:Local Tax Reforms for FY2014


2. 法人住民税(法人税割)率の改正
 地域間の税源の偏りを是正し財政力格差の縮小を図るため、法人住民税法人税割の税率が以下の通り引下げられます。

(注)資本金の額又は出資金の額(以下「資本金」)が1億円超又は法人税額が1,000万円超の場合、上記[超過税率]が適用されます。


3. 地方法人税の創設

上記2と同じ理由で、法人住民税(法人税割)率の引き下げにあわせて「地方法人税」が創設されました。この「地方法人税」は国(税務署)に申告・納付し、その税収は地方団体へ配分されます。 
 
税額は、所得税額や外国税額等の控除前の法人税額✕4.4%になります。


4. 法人事業税率の改正
資本金額に応じて、法人事業税所得割の税率(標準税率)が次のとおり引き上げられます。


① 資本金1億円の場合

② 資本金1億円以下の場合


5. 地方法人特別税率の改正

地方法人特別税の税率も次のとおり引き下げられます。


6. おわりに
今回は、平成27年9月期決算の留意点についてお話させていただきました。上記の税制改正は、いずれも地方法人課税の偏りを是正するための改正とされています。該当する法人のご担当者は、誤った税率で申告することがないよう、税額表等をご確認下さい。


なお、今回の解説も、概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。


ご不明な点等ございましたら、お気軽に弊社までご相談下さい。

(参考文献)
● 財務省(平成26年)「パンフレット 平成26年度税制改正」<http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei14_pdf/14zeisei.pdf> 平成27年3月3日アクセス
● 財務省「平成26年度税制改正の大綱の概要(平成25年12月24日閣議決定)」<http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2014/26taikou_gaiyou.pdf> 平成27年3月3日アクセス
● 国税庁(平成25年)「税務統計」<https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/hojin2013/pdf/04_hojinsu.pdf>平成27年3日5日アクセス
● 総務省「地方税法等の一部を改正する法律の概要」<http://www.soumu.go.jp/main_content/000283837.pdf >平成27年8月18日アクセス
● 東京都主税局(平成26年7月2日)「法人都民税・法人事業税の税率の改正について」<http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/data/zeiritsu_kaisei.pdf> 平成27年8月21日アクセス
● 東京都主税局「税率改正後初年度の予定申告について(平成26年10月1日以後に開始する最初の事業年度に係る予定申告)」<http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/yotei_keika.pdf> 平成27年8月21日アクセス

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