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2024.04.30

外国人エキスパットが帰国する際の納税管理人の選任

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1. はじめに

昨今のグローバル化により、外国法人の在日支店や海外親会社の在日子会社に出向や転勤する外国人のエキスパットが多く見られます。
今回は、外国人エキスパットが、本国へ帰国する際に、納税管理人を選任する必要があるケースについてご紹介します。

2. 出国時年末調整で所得税(国税)の納付

国内企業への赴任期間が終わり、出国するまでの居住者として支給された給与が年間2千万円以下である場合は、会社が出国時までに年末調整をすることにより、所得税を精算します。ただし、出国した後も、国内の不動産収入等の国内源泉所得に該当する収入がある場合は、納税義務を果たすために納税管理人を定めた上、所得税の確定申告をしなければなりません。

3. 住民税(地方税)の納付義務

納税管理人の選任は所得税(国税)だけでなく、居住していた市区町村に住民税(地方税)を納付するため、地方自治体用の納税管理人を選任するケースもあります。
住民税は1月1日現在居住している地方自治体に、その年度の住民税を納める必要がございますので、年の途中で出国した場合でも住民税(地方税)の納付義務は発生します。
その年の住民税の納付書を受領してから出国する場合は、一括納付した後で出国することをお勧めします。住民税の納付書を受領する前に出国する場合は、所轄の地方自治体のホームページに掲載されている納税管理人届出の様式をダウンロードし、納税管理人を選任した上で出国することによって、住民税の納付書がきちんと納税管理人の手元に届くように手配することをお勧めします。
また、いずれの場合も出国する前に必ず所轄の地方自治体に住民異動届を提出して、納税義務がないにもかかわらず、住民税の納付書が届くことのないように注意しましょう。

4. おわりに

今回は、外国人エキスパットが、本国へ帰国する際に、納税管理人を選任する必要があるケースについてご紹介しました。

納税管理人は非居住者である納税者に代わって、納税に関する諸手続きと納税を行う代理人で、法人でも個人でも選任することができます。なお納税管理人として選任されたことによって納税者の納税義務まで負うことはありません。
納税管理人は解任することも変更することも可能となっておりますので、必要に応じて納税管理人制度を利用しましょう。

なお、今回の解説も、概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。
ご不明な点等ございましたら、お気軽に弊社までご相談下さい。

(参考文献)
国税庁
港区

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