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2022.09.30

インボイス制度の留意点 実務編Part2 

適格請求書発行事業者の義務等

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1. はじめに

前回のニュースでは、「インボイス制度の留意点 実務編Part1」として、インボイス制度の登録手続きについてご紹介しました。今回は引き続き、国税庁が作成した「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」から、実際に適格請求書を発行する際に順守すべきルールなど、適格請求書発行事業者の義務等についてご紹介いたします。


2. 適格請求書発行事業者の義務等に関する確認事項

国税庁のQ&Aでは、適格請求書を発行する際の注意事項について、具体的ケースを題材に紹介されています。今回はその中から、簡易インボイス等、関心が高いと思われる項目を取り上げます。また、消費税額の端数処理についても新たな規定がございます。

(1) 適格簡易請求書が発行できる場合(Q&A問24)

適格請求書発行事業者が、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う次の事業を行う場合には、記載事項を簡易なものとした適格簡易請求書を交付することができます。「不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業」であるかどうかは、個々の事業の性質により判断します。

(2) 交付したインボイスに誤りがあった場合(Q&A問29)

売手である適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書等の記載事項に誤りがあったときは、買手である課税事業者に対して、修正した適格請求書等を交付しなければなりません。

(3) 修正したインボイスの交付方法(Q&A 問30)

修正したインボイスの交付方法として、以下が挙げられています。

① 誤りがあった事項を修正し、改めて記載事項の全てを記載したものを交付する方法
② 当初に交付したものとの関連性を明らかにし、修正した事項を明示したものを交付する方法

(4) 適格請求書に記載する消費税額等の端数処理(Q&A問46)

適格請求書の消費税額等に1円未満の端数が生じる場合は、一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要があります。ここで、切上げ、切捨て、四捨五入などの端数処理の方法については、任意の方法とすることができます。


3. おわりに

今回は、国税庁の「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」の中から、消費税のインボイス制度における適格請求書発行事業者の義務等について取り上げました。すでに登録の完了した事業者の方は、次のステップとして、適格請求書の様式の確認、税額計算の検討やシステムの準備等が必要となります。実務上の対応については、新制度の十分な理解のもと、早い段階で、課題をひとつずつ解決することが重要になってくるものと思われます。

なお、今回の解説も、概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。
ご不明な点等ございましたら、お気軽に弊社までご相談下さい。


(参考資料)

国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」(令和4年4月改訂)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/01-01.pdf
(令和4年9月28日アクセス)

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